君が夢に出てきた。
甘い、悪い 夢
「傍に居て欲しかったんだよ」
(大事に出来なかったみたいだけど)
「捕まえてて欲しかったんだよ」
(だって、君が僕を好きだって言ったんだから)
笑ってた。君は笑ってた。
それしかもう、覚えてない。
でも、その笑顔はあんまりにも僕の記憶の中にあるもので。
(嗚呼、矢っ張りあれは夢だったんだ)
ねぇ、誰かの「逢いたい」気持ちが 夢を見せると
言ったのは、誰だった?
寂しい。
君が僕に逢いたいと思って
夢に現れたのだったとしたら。
それは、何て甘い。
ねぇ、僕は君が矢っ張り好きだったのかな?
君はどのくらいの重さを以て
僕に「好き」と言ったのですか。
君の中に、まだ僕は居ますか?
思い出ですか?
過ぎた過去ですか?
それとも未だ痛みますか?
それとも、もう僕のことは忘れましたか?
責任とって。
初めて言われたんだから。
甘くなくても、後悔ばかりでも
君のことが消えてくれない。
きっと僕の居る此処とは遥かに違う
冷たい風の中を、君は歩いてる。
本来 皆歩くべき其処を、僕だけが拒絶して。
甘えてる。
迷惑だね。
君に僕のことを訊きたいだなんて。
携帯電話のメモリから、君を探し出して
ワンコールすら鳴る前にそれを切った。
さっきから飲んでいた缶酎ハイが、そう云えば桃のフレーバーだって気付いて
くらくらする思考の中で、ひと息に飲み干した。
back?